Stakeholders Talk 6

Lancers
Tetsu Takenaka
Design & Life
Takuji Ikeda

ランサーズ株式会社ユーザーファーストデザイン室 室長兼デザイナー竹中 哲元ニフティ株式会社。WEB・モバイル、紙、動画、ロゴ、駅広告、新規事業企画まで幅広く携わる。2013年4月よりランサーズ株式会社。ランサーズのリニューアルをデザインから進め、 サービス全体のアートディレクションとデザインの指揮をとる。2017年6月よりユーザーファーストデザイン室 室長兼デザイナー。サービスの使いやすさを最大化するために奔走中。デザインアンドライフ株式会社代表取締役 デザイナー池田 拓司 氏福岡県出身。多摩美術大学を卒業後、ニフティ株式会社、 株式会社はてな、クックパッド株式会社 執行役兼ユーザーファースト推進室 室長を経て、現在はDesign&Life inc.代表取締役。ユーザーエクスペリエンス/ユーザーインターフェースのプロフェッショナルとして、多方面で活躍。2017年6月よりランサーズに、ユーザーファーストデザイン室のアドバイザーとして参画。

テクノロジーで個人の能力をマッチングし、
多くの人が自分らしく誰かの役に立てる場所を。

ランサーズを通じてユーザーが体験する価値を最大化すべく、2017年6月よりランサーズ社内に新設されたユーザーファーストデザイン室。その室長の任に就いた竹中は、様々なサービスでユーザーへの体験価値の最大化を実現してきた池田 拓司氏をアドバイザーに迎え、提供するサービスを磨き上げていく。ランサーズの目指す、良質なユーザー体験を生み出すプロジェクトがスタートしている。

「不便」を自分ならどうやって解決するか

竹中)ユーザーファーストデザイン室は、サービスをとおしてユーザーに良質な体験の提供を目指しています。良質な体験、と言ってもとらえ方は様々かと思いますが、池田さんはどのようなサービスを提供できるとユーザーにとって良い体験になるとお考えですか。

池田)まず、インターネットサービスだけでなくとも、生活の身近なところでサービスに対して考える機会は多くあると思います。
たとえば飲食店に行ったとき、色々な体験をしますよね。
扉を開けた瞬間の雰囲気、店員さんの接客態度、お勧めの料理を即答できるか、食べ終わったものを下げるタイミング、肝心の料理の味はどうか、値段は適切か……。
入店から退店までのサービスから、「次は友だちと来たいな、紹介したいな」と思ってもらえたなら、良い体験を提供できたといえるのではないでしょうか。
会社員時代の上司だった人に、「外で歩いている時、買い物をしている時、とにかくいろんな所に足を運んでいると不便な思いをたくさんして来い、どこにいても休みはないよ」と言われました。特に、ひとりでいるときはあまり見えなくても、子どもと一緒や複数人で動くと、世の中にはまだまだ不便なことがたくさん見つかります。それらを自分だったらどうやって解消・解決するのかを考えろ、と。
実例を挙げると、子供と一緒に旅行をするために、飛行機の予約をしたときの体験があります。ある便を選んだところ、座席の指定ができませんでした。別の便なら指定ができるということで、そちらを予約したんですね。ところが、具体的な座席を選べるのは予約が完了してからでした。つまり子供と隣り合わせの席を予約したいと思ったのに、連番で座席を抑えられるかどうかは、2名分の搭乗予約をした後にしか分からない仕組みだったんです。
実体験をとおして、「このタイミングで注意文を出すのが適切だ」、「画面遷移をこっちに替えたほうが、子どもと乗るユーザーにはメリットが出る」など、気づくポイントがありますね。「この会社は空港でのサービスに特化しているんじゃないか」というように、想像しながら意識していろいろと見るようにしています。

竹中)想像して抽象化していくことで、課題の本質を見ることができると思います。「ここが得意」とか「ここは苦手」というようなばらつきがあると思うんですが、そこは得意な所を突き詰めていくのか、それとも全方位的におこなっていくべきなんでしょうか。たとえば、苦手なことをやらない、つまり予約はやらないと決めるのもひとつの方法だと思います。

池田)とはいっても、「お店に入ってから出るまで」をインターネットサービスに置き換えると、ユーザーが訪れてからやりたかったことを実現できるまでが体験となります。
ただし、部分的に他人に任せてしまうというのもあるとは思いますね。たとえどこか欠けていたとしても、それを補完できる何かがあればいいと思います。
もちろん「売り」はあったほうが良いとは思います。飲食店でも、サービスなのか、雰囲気なのか、ネタになる料理を出すのかは結構違うじゃないですか。インターネットサービスでも何が特徴なのか、わかりやすくユーザーに伝わることが大切なのではないでしょうか。

テクノロジーを活用したユーザーマッチング

竹中)ランサーズとしてサービスを提供する上では、ユーザーに提供したい「働ける」というような価値と、そこにたどり着くまでの体験があると思うのですが、池田さんは価値と体験についてどうお考えですか。

池田)食事の話で例えるなら、外食にするか家で作るか、それとも買って帰るか、どれにもその人の状況によって価値を得ることはできます。
でも家で料理をしたほうが、家族との団らんの時間を作れるとか、食生活を気にすることで健康につながる、自分で料理を作ることでクリエイティビティが増すといった見方もできますよね。
同様に、Webサイトであっても、あるページのコンテンツがどういう順序で並んでいるのか、カテゴライズがどうなっているのかは、提供するサービスを通してユーザーに感じて欲しい体験が何かによって変わるんだと思います。

竹中)そういった中で「なにを正解とするのか」は、どのように見つけていくものなんでしょうか。料理なら手の込んだ料理を食べたいという人もいる一方で、早く簡単にできるのがいいという人もいます。

池田)それこそテクノロジーを使って、その人が求めるものを推測できるようなエッセンスを入れることができるんじゃないでしょうか。
たとえば、依頼者の希望のランサー像を推測してレコメンドしてくれるというように、マッチング精度を高めるということもありそうです。

竹中)おっしゃる通りで、テクノロジーが発達したことで、ユーザーのインサイトを把握しやすくなってきたからこそ、ユーザーに良質な体験を届ける確度が上がっていると考えています。

池田)一方で、ユーザーが求めているであろうものを推測してレコメンドするというのは、選択を狭める作戦とも言えます。そればかりをおこなっていると偏った思考になるので、ちょっと別なものを入れてあげて、選択肢を広げてあげるのも良いですね。
マッチングして「この人とフィットするからずっと一緒にやればいい」ということもあるかもしれないですが、「今までとは違うタイプだけれど、こういった人選も面白い」となるレコメンドもあるかもしれません。

竹中)確かに、選択肢を広げるレコメンドができれば、より良質な体験を提供できそうです。ランサーズには多くの提案者から案を集めて、その中から気に入ったものを選ぶことのできるコンペと呼ばれる方式あります。その中のロゴ制作のコンペで、ある提案者が「名刺に使ったらこういうイメージです」というようにイメージを広げる提案をしていたことがありました。こういったものは依頼者側の体験としてすごく良いなと思います。
ランサーズには依頼者だけでなく、当然ですが受注する側もいて、彼らにも良い体験を提供しなければいけません。そういった体験を機能や仕掛けとして用意するのもありだと思っています。

すべては「良いプロダクト」を世に送り出すために

竹中)池田さんがこれまで「良質なユーザー体験を提供する」という役割を担ってきた中で、気持ちの良い瞬間はどんな時ですか。

池田)僕の場合は、仮説通りになったかどうか。「こういうデザイン変更をおこなったら、ユーザーはこれぐらいの行動をするのではないか」の「これぐらい」が合った時ですね。
「これぐらい」の精度を高めることができれば、大多数の人がこうなるだろうみたいなものが読めるようになるんじゃないでしょうか。

竹中)ユーザー体験を向上していくには、他部署の協力も必要になってきます。仮説の精度を高め成果を出していくことができれば、それが信頼につながり、機能変更などの際にも声を聞いてくれるといったことにもつながるんだと思います。
池田さんがユーザー体験構築のプロとしてランサーズに期待すること、ランサーズが提供できる体験に対する期待とはどんなことでしょうか。

池田)個人の能力をしっかりマッチングしていけると良いと思っています。働きたくても働ける環境にない方や、スキルを眠らせている方、きっと様々な方がいると思うので、そういう方々を開花させていってあげられた。自分らしく、誰かの役に立ちたいという気持ちを発揮できる場所が、どんどん出てきたら良いですね。
僕は仕組み作りが好きなので、ランサーズの実現したい世界が浸透しやすくなる手伝いをしていきたいと考えています。
竹中さんにはよくお話ししていますが、組織を変えたり、やり方を変えたりもそうですが、最終的には「良いプロダクトが世に出るためにやっている」ということを決して忘れないようにしなければなりません。その意識を常に持っていてほしいですね。

竹中)ありがとうございます。素晴らしいサービスを手掛けてこられた大先輩に、作り方をご相談できる機会をいただいて、素直にうれしく思っていますし、とても心強いです。仕組みづくりは今までのデザイナー人生の中でやってこなかったので、今いろいろと経験を積ませていただいています。良いプロダクトを世に出していけるよう、ユーザーファーストデザイン室の手で磨き上げていきます。

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