Stakeholders Talk 4

Panasonic
Hideyuki Kiwata
Lancers
Saya Ushioda

パナソニック株式会社ビジネスイノベーション本部 プロジェクト推進室 主務木綿 秀行氏2002年松下電器産業(株)(現 パナソニック)に入社。半導体プロセス開発、コンシューマー商品企画、マーケティングを経て、2016年4月よりビジネスイノベーション本部に配属。ランサーズを始め、様々なベンチャー企業とのコラボレーションの経験やパナソニックにおける幅広い事業経験を活かし、新たなビジネスモデルの創出を目指す。ランサーズ株式会社社長室 広報潮田 沙弥人の「働く」をワクワクさせる仕事につきたいという想いで、人材企業に新卒入社。企業だけでなく個に寄り添ったサービスを模索するなかで、ランサーズに出会い中途入社を決意。入社後は、採用や広報を担当し、社内外を巻き込んだ新しい働き方の創出と普及に取り組んでいる。

社会の公器となったプラットフォームである自覚と、
健全化への真摯な取り組みを要求したい。

日本有数の総合エレクトロニクスメーカーのパナソニック株式会社は、2013年にランサーズを活用したデザインコンペを開催。デジタルカメラ:LUMIX(DMC-XS1、販売は既に終了)の外装デザイン案を、一般のデザイナーから広く集める試みだった。結果として、ランサーズ史上最多(当時)の1,303案が集まる。選ばれた50案を製品化し、既存のデジタルカメラにはなかった、デザインによる付加価値をまとう製品が誕生。大手企業がその地位に甘んずることなく、社外タレントを活用し新しい風を吹き入れた。

ランサーズの活用は、新たな価値創造の一手。

潮田)ランサーズを利用いただいたのは、クラウドソーシングで集めたデザインをデジタルカメラの外装として製品化するプロジェクトでした。2013年のことなので過去を振り返りながら、当時のことをお聞かせください。

木綿)ランサーズさんとパナソニックがコラボレーションしたのは、デジタルカメラ事業の新しい取り組みのひとつでした。
デジタルカメラやスマートフォンの普及により、撮るという行為が日常になった中、当時はカメラ自体にどの様な新しい価値を加えるかが課題でした。
さまざまな付加価値提案を模索していましたが、そのひとつが、デザインです。具体的には、多種多様なデザインのデジタルカメラを一台からつくって、お客様にお届けするという仕組みを工場、事業部、メーカー直販部門と連携して構築し、販売を開始しました。デザインを軸としていくつかの企画を実現させましたが、その中にランサーズさんのクラウドソーシングサービスを使ってデザインを集めようという企画を立案しました。

潮田)過去には一般のデザイナーから公募する取り組みはやっていませんでしたよね。内製だったり既存のデザイナーによって実現することも可能だった中、どうしてクラウドソーシングを利用したのでしょうか。

木綿)2013年当時はまだ、クラウドソーシングの黎明期というか、広くは知られていなかったのではないでしょうか。私の場合、たまたま身近にクラウドソーシングに事業者として携わっていた人がいて、2011年頃から注目していました。
大勢の人が一斉にアイデアを出してくれる、デザインを提案してくれるという、オープンイノベーションの文脈で興味深いと思っていたんです。
このカメラ(DMC-XS1)のオリジナルデザインモデルを企画するにあたり、勿論、従来からお世話になっている社内外のデザイナー達の力を借りたモデルもあります。一方で、デザインの多様性をこれまでに無い規模で取り込める環境がある中、多様なデザインが集まってくる様子を体感したかった。新しいアイデアを求めていたんです。

大手企業を動かした、時代の大きな変化。

潮田)クラウドソーシング自体が一般的ではない中、導入への苦労はありましたか? また社内外に人的リソースを抱える大手企業でありながら、一般のデザイナーを活用することへの理解は得られたのでしょうか。

木綿)クラウドソーシングについて隅々まで理解してもらった上で、公募を開始するのであれば、かなり時間が必要だったと思います。
それでもプロジェクトを前に進められたのは、社内には新しい取組みをしていこうという現場の一体感があったことと、そういうマインドの人達と信頼関係を構築していたからだと思います。関係者に要点だけ理解頂き、「これは新しい取組み。やってみよう」という流れは非常にスピーディーに作れたと感じています。
ここで言う要点とは、クラウドソーシングという仕組みがすごく伸びていること、多様化するデザインのニーズに対応し易いサービスであることの二つです。
1種類のデザインを1台からつくれる仕組み自体はあったので、大きな取り組みのなかのひとつという認識があって、受け入れてくれるコンディションになっていたのは追い風でした。
余談になりますが、ランサーズとの企画が公開された時、弊社の複数の部門から私に問い合わせが来ました。クラウドソーシングを活用した背景からコスト、企画のコツなど、いくつかの質問があったことからも、少なからぬインパクトがあったと思っています。

社外タレント人材の声に、耳を傾ける機会。

潮田)実際にランサーズを使ってみて、どのような結果だったと捉えていらっしゃいますか?

木綿)50種類の製品化を決めていましたので、コンペを始める前は「40提案しかなかったらどうしよう」という不安はありました。最終的には1,303ものデザインが集まったわけですが、日を追うごとに提案数が増えていって900件を越えたあたりから「50種類に絞り込むのはどうするんだ」という新たな不安が生まれたという(笑)。

潮田)コンペ前は、「この企画なら300提案はきますよ」なんて話していたんですよね。それが1,303という、史上最多の提案数になって。応募作品を見たときは、どのような印象でしたか。

木綿)デザインの数にも驚いたんですが、それ以上に印象的だったのが提案者の意見でした。デザイナー達のコメントは全て拝見させて頂いたのですが、「長年、LUMIXを愛用している」という方からの提案だったり、「商品企画に携われて嬉しい」とか「タダでも良いので使ってほしい」という声をいただけて、皆さんが楽しみながら考えてくださったのが伝わってきて、嬉しかったのを覚えています。

潮田)クラウドソーシングを利用したから出会えたアイデアはありましたか?

木綿)自分が想像していなかった驚きとして、レンズを玉転がしの玉に見立てたデザインなど、デザインの観点だと邪魔になりそうな部分をポジティブに活用していたことです。デザイナーの中にはそういう発想があったのかもしれませんが、商品企画としては驚きがあって面白かった。
社内のデザイナーによると当時は、『キモかわいい』デザインのトレンドがあったのですが、それが垣間見えるようなテイストも多くて、流行を捉えられたのも良かった点ですね。

健全化の推進が、社会からの期待。

潮田)コラボして3年半以上が経つのに、いまだにメディアが話を聞きたいとおっしゃることがあります。パナソニックさんがデジタルカメラのデザインを集めるためにランサーズを活用した、というのが興味深いようです。そんな先進的な取り組みを行なってきたわけですが、これからのランサーズに期待することがあれば教えてください。

木綿)公募期間中に、メーカー通販サイトであるパナソニックストアへの流入が大きく増えたんですね。提案のための情報収集にアクセスした方が多いとは思いますが、それ以外にも多くの人と接点を持てたのは利点でしたし、取り組み自体が注目された結果かと思います。
パナソニックという会社として、今後どこまでオープンイノベーションを活用していけるかは、正直なところまだまだ未知数です。
個人的に思うのは、当社に限らず多くの企業や個人が活用するプラットフォームになってきていますし、その傾向はさらに強くなるということ。利用者が増えて多様性が広がって、クオリティも高くなっていますからね。
巨大なプラットフォームになったからこそ、受発注側ともにモラルに反することや、リテラシーに欠ける使い方をする人が出てくるかもしれません。常識から逸脱するような行為に対して、いかに迅速な対応をして健全性を保っていくかは、運営者であるランサーズに期待するところですね。
今の世の中で、明日、ランサーズがなくなると困る人が大勢いらっしゃるのではないでしょうか。そこからクラウドソーシングというサービスとそのプラットフォームが社会の公器となってきているように感じます。社会機能としての価値、そして責任があることをご認識なさって、健全なプラットフォームに育てていって欲しいと思います。

潮田)ありがとうございます。新しいビジョンとして、誰もが安心して働けるプラットフォームの提供を掲げていますので、これからのランサーズにご期待ください。

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